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【レポート】2018.08.22 古伝太極拳~生を豊活かにする、日常的修行のススメ~

武術から受けた恩恵を故郷に

エンクロスの窓から見える街並みも暗くなってきた午後7時、「古伝太極拳~生活を豊かにする、日常的修行のススメ~」の初回が開催されました。

台風19号の接近で天候が心配されましたが、思っていた程の雨風はなく、ほぼ満員に近い6名の方が参加してくださいました。

 

 

講師は山本浩司さん。延岡生まれの延岡育ち。東京にお住まいだった時に、この古伝太極拳に出会い、以来20年程修行を続けていらっしゃるとのこと。

2年前に延岡に帰郷し、武術から受けた恩恵を故郷に還元したいとの思いからこの活動を始められました。

イベント冒頭は、参加者の皆さんに簡単な自己紹介をしていただいた後、山本さんがまとめてくださった太極拳の歴史を学びました。

 

 

 

「古伝太極拳」とは

「太極拳」ってよく耳にするけど、「古伝太極拳」って何か違うの?

山本さん曰く、現代の太極拳と基本原理は同じですが、時代の流れと共に失われた、武術としての重要な要素(行法、用法、激しい攻撃力など)を受け継ぐものだそう。

発祥は1600年代の中国河南省。かの有名な少林寺からほど近い陳家溝で一族だけに伝わる拳法が、清朝末期に楊露禅という天才武術家によって急速に普及。

以後、門派を超えた交流によって大成されたのが、この古伝太極拳だそうです。

ごく限られた中で伝わってきた拳法であるうえに、文化大革命という大量殺戮の悲しい歴史に巻き込まれたりしながら、一時はその伝統の灯が消されそうになりながらも、運よく日本まで伝わってきたという奇跡の拳法。

その伝統が、エンクロスでまた新たに伝承されていく、ご縁の不思議や有難さを感じます。

尚、この「古伝」という名称は一般的なものではなく、文化大革命以前から伝わる太極拳であることが判るよう、ご師匠の助言を得て付けたそうです。

 

歴史を頭に入れたら、いよいよ実際に体を動かしていきます。

少しだけ緊張気味だった参加者の皆さんも、いざ体を動かし始めるとすぐに和やかな表情に変わっていきます。

 

 

モンゴルの大草原にいるような気持ちで

初めは足や腰の力の入れ方や動かし方を教わりました。簡単そうに見える動きが想像以上に難しいことに驚きました。

「角の動きではなく丸の動きで」そう仰った言葉通り、山本さんの動きは非常にしなやかで、無駄な力が入っていないように見えます。

しかし、額には少しずつ汗が流れ始め、体幹をしっかり使っていることがわかります。

イメージすることがとても大切とのことで、実際はエンクロスにいるのだけれど、モンゴルの大草原にいるような気持ちで…。山本さんと参加者の皆さんはどんな大草原にいらっしゃったのでしょうか。

 

 

中盤になってくると皆さん汗をかき、少しずつ息のあがってくる方も。水分補給をしたり、休憩を挟んだりしながら、あっという間に時間が過ぎていきました。

時折山本さんが披露してくれる本格的な型に、一同感嘆の声もあがる場面も。極めていくと、こんなに美しい型になるのかと感動しました。山本さんからは、続けていけば必ずできます、と心強いお言葉が。

最初はぎこちない動きしかできなくても、続けていくうちに徐々に効果的な練習になっていくそうです。

 

 

 

古伝太極拳を日常に

山本さんは、古伝太極拳を日常に取り入れることで熟睡できたり、すっきり目覚めたり、ダイエット効果を実感しているとお話されていました。

また、感情のコントロールが上手にできるようになったそうで、山本さんのその落ち着いた雰囲気に納得!

しかし、山本さんご自身で効果を実感しながらも、古伝太極拳とは一生続けても完璧に体得することは難しいと言われているくらい、奥の深いものだそうです。

だからこそ、何十年も続けていくことができるのでしょう。

夜のエンクロス、外は雨模様でしたが、窓ガラスに映る雨粒と皆さんの姿がきらきらと輝いていたのが、とても印象的でした。

 

次回以降も今回集まってくださった皆さん、そして新しい方のとのご縁が繋がっていくことが楽しみです。

担当:黒木